「偉大なるローカル線」の異名をもつ山陰本線。
最長距離の路線ながらも、その沿線ではいたるところでローカル線らしい雰囲気があふれています。
私の地元は岡山ですが、地元で暮らしているときには山陰の列車に乗る機会はまったくありませんでした。地元を離れて何年も経ってようやく初めて乗車できました。
そんな近いようで遠い存在だった山陰本線ですが、かつて乗車したときのことを振り返ってみました。
城崎温泉~鳥取
京都から出発する山陰本線ですが、豊岡を過ぎて次第に都会から離れて城崎温泉へと到着します。温泉街らしく、風光明媚なところです。
城崎温泉からの列車は、かなり雰囲気ありますね。なんだかピンク色みたいに見えるこの車両も、もともとは違う色だったのが塗装が褪せたと思われます。これもローカル線の味なのでしょうか。
鎧駅や餘部駅のあたりは、かなり標高の高いところを走り、車窓からの景色も良いところです。旧余部鉄橋は鉄道ファンのみならず知られた有名なスポットで、最近になって展望施設として整備されたらしいです。
浜坂からは、鳥取あたりでよく見るキハ126にはじめての乗車でした。前面の赤色のカラーリングがずいぶん印象的に記憶に残っています。
鳥取駅についてからは、当時ついに鳥取に出店したと騒がれていたスターバックスに寄ってみました。味は東京と特に違いは感じられなかったです。
長門市~出雲市
鳥取県からは離れて、山口県に移ります。先ほどとは逆に西から東へ、長門市から出雲市へと向かいます。
キハ120の長門市ラッピング車両に乗車です。薄い紫の色づかいの1両編成の車両です。
車窓から見える風景は、この地方独特の赤茶色の家々の向こうに、日本海が見えてきました。山陰本線から見えるこういう景色はやっぱりすばらしいです。
しばらく進んで、浜田駅はこのあたりではターミナルの比較的大きな駅です。石見神楽をモチーフにした、どんちっち神楽時計が駅前に鎮座します。
出雲市に到着したのは、もうすっかり日が沈んだころになりました。出雲大社は、結構遅くまでやっていて、このときは午後8時前くらいでしたが御札を買うことができました。
下関~仙崎(みすゞ潮彩)
最後に、下関から仙崎へと向かう列車です。「みすゞ潮彩」に乗車しました。現在は「みすゞ潮彩」は運行を終了し、後継で「○○のはなし」が運行されています。
建築様式の詳しいことはよくわかりませんが、アールデコ調と言うのでしょうか。そういうモチーフだったと思います。窓の形が三角形だったり八角形だったり変わったものがありました。
この列車は、仙崎出身の詩人・金子みすゞにちなんで、車内では紙芝居が上映されるというユニークな列車でした。
車窓の景色は、さすがの山陰本線といった感じの日本海です。沿岸の近いところを通る区間がいくつかあります。
また山陰本線に乗車して海が見たい、できれば何もない駅でぼーっとしたい。時折とりとめもなく、そんなことを考えたりします。
山陰本線の支線の終点・仙崎は、壁に手書きのクジラやカモメが何ともいえない味わいの駅です。駅の外を歩く時間はなかったので、次は街をぶらぶらしてみたいものです。
通しでゆっくり時間をかけて乗ってみたい
山陰本線に乗ったときの記録をまとめてみましたが、これまで全区間を通しで乗車したことはありません。実際のところは、途中で因美線に乗り換えたり、山口線に乗り換えたりしています。
できるものならば、そう遠くないうちに、山陰本線だけを途中下車しながら満喫するプランを立てたいものです。