もこもこ鉄旅部。

乗り鉄・旅鉄・駅ノート絵師(駆け出し)の筆者が、全国津々浦々を鉄道旅でまわったり、駅訪問して駅ノートにイラストを残したりするブログです。

越美北線・自然豊かな車窓を眺めながら九頭竜湖へ

九頭竜線という通称で呼ばれています。

 越美北線は、北陸本線越前花堂から分かれて、九頭竜湖へと向かう総距離52.5kmのローカル線です。通称は九頭竜線と呼ばれており、駅の案内などでもこの名称が使われているほうが多いです。ほとんどの列車が福井駅の発着となっており、キハ120形の車両で運行されています。 

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越美北線の名前はどこから来たのか。  

 越美北線は、当初、福井県岐阜県を結ぶ「越美線」として計画されており、その名称は越前の「越」と美濃の「美」から取られています。国鉄時代に福井側と岐阜側から線路が伸ばされましたが、結局つながることはなく、福井側は南福井~九頭竜湖越美北線と、岐阜側は美濃太田北濃の越美南線に分かれたままとなっていました。そして、国鉄の解体にともない、越美北線JR西日本が引き継ぎ(越前花堂が起点となりました)、かたや越美南線は第三セクター長良川鉄道へと委譲されています

 

福井駅を出発。田園風景から川の路線へ。

    こうして行き止まりの盲腸線となった越美北線ですが、今回は福井駅から出発して、終点の九頭竜湖駅へと向かいます。

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 福井を発車すると、次は越前花堂に停車した後、北陸本線から離れて東の方角へ進んでいきます。しばらくは平地の広々したのどかな田園地帯を進んでいきます。

    

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 そして、戦国大名の朝倉氏の拠点として有名な一乗谷へ差しかかり、列車は足羽川に沿って山間を進んでいきます。一乗谷には今も朝倉氏の遺跡が残っているようです。

 

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 市波のあたりでいったん盆地に出た後、再び小和清水(こわしょうず)から山間を縫うようにして進んでいきます。「しょうず」というのは、北陸では湧き水のことを指して呼ぶようです。車窓からは、足羽川の流れを眺めることができ、自然豊かな川の路線としての表情が楽しめます。

 

大野市の中心部へとやって来ました。

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  山を抜けると、越美北線の主要駅である越前大野に到着します。駅からアクセスできる越前大野城は、標高249mの高さに建てられており、「天空の城」として観光名所となっています。

 

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 越前大野を出発して、列車は大野盆地を走っていきます。越前大野は四方を山に囲まれている地形で、車窓には田園地帯とその背後にそびえる山々がうつってきます。春ではあるものの、まだ山の頂上には雪が残っていますね。

 

終盤の車窓の景色は見ごたえあります。

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 柿ヶ島を抜けると、九頭竜湖へ向けて渓谷を走っていきます。勝原の手前で橋梁を渡って九頭竜川を横断しますが、ここの車窓は、切り立った岩場の中を川が流れるすばらしい絶景ポイントだと思います。

 

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 勝原のあたりでは、桜や桃が植えられており鮮やかな景色を楽しむことができました。街のほうでは桜はもう散ってしまった頃でしたが、この場所はまだこれからといった感じですね。遅めのお花見が楽しめそうです。

 勝原を出発すると、長い長いトンネルを抜けて越前下山へ到着し、次は終点の九頭竜湖です。

 

 終点の九頭竜湖駅に到着です。
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 九頭竜湖駅の駅舎は、木の香りと温もりに包まれたロッジのような建物となっており、周囲の自然ともマッチしています。この駅では、窓口で到達証明書を発行しているので、乗車記念として持って帰るのには打ってつけです。

 

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 越美北線は、のどかな田園風景と、山や川の自然がいたるところで楽しめる雰囲気あふれるローカル線でした。九頭竜湖は紅葉がきれいな名所と聞きますので、秋に乗車してみるのも、また楽しいと思います。